東京アンダーグラウンドの最深部で、温度を剥ぎ取った超硬質なジャンク/ノイズロックバンド「TORR」と、枯れたアルペジオから言葉になる以前の感情や気配を浮かび上がらせるエモ/ポストハードコアバンド「THREE MARKS OF EXISTENCE」による4曲入りスプリットCD。TORRは、SHELLACやBIG’N、MY DISCO、NEW BRUTALISMをはじめとするSteve Albini周辺の無機質な緊張感を受け継ぎ、鋭く切断されるギター、反復するリズム、余分な温度を徹底して削ぎ落とした演奏によって、硬質で張り詰めたジャンクサウンドを構築。一方のTHREE MARKS OF EXISTENCEは、90年代のエモ/ハードコア〜オルタナティヴロックを通過した耳に深く響く、枯れたアルペジオと抑制された感情表現を軸に、DISCHORD〜LOVITT周辺のポストハードコア、SUNNY DAY REAL ESTATEやAMERICAN FOOTBALL以降の90'sエモ、さらにthere is a light that never goes out、3cm tour、BALLOONSといったジャパニーズエモ/ポストハードコアの系譜も踏襲しています。切断するような硬さと、余白に感情を滲ませる静けさ。明確に異なる質感を持つ2バンドの楽曲が交互に配置されることで、単独作品では生まれ得ない鮮明な対比と緊張感を形成しています。本作は、単に2曲ずつを持ち寄ったスプリット作品ではありません。同じスタジオ、同じエンジニアのもとで両バンドを録音し、さらに実際の録音順をそのまま曲順へ反映。互いの違いを際立たせながら、その日に流れた時間、演奏の緊張、スタジオの空気までをひとつの作品として記録する試みです。TORRとTHREE MARKS OF EXISTENCEによる対照的な音楽性と、この録音コンセプトが重なることで、4曲を通したひとつの流れが生み出されています。レコーディングを担当したのは、MIRRORのギタリストとしても知られる森健司郎。バンドの現場を知る演奏者としての身体感覚と、エンジニアとしての視点を併せ持つ森が、TORRの冷たく研ぎ澄まされた硬質さと、THREE MARKS OF EXISTENCEの乾いた余韻や静かな切迫感を、同一の録音空間の中へ記録しています。マスタリングは、数々のワシントンDC周辺作品を手掛けてきたTJ Lipple。日本の地下で録音された4曲に、海外インディロック/ノイズロック/ポストハードコアの文脈とも接続する奥行きと、鋭い最終輪郭を与えています。バンド、録音、マスタリング、アートワーク、レーベル。それぞれの手と視点が連なることで、単なる2バンドのカップリングを越え、TORRとTHREE MARKS OF EXISTENCEを中心とした複数の共犯者によって立ち上げられる、ひとつの作品体として結実しています。CD限定400枚。ダウンロードコード付き。ストリーミング配信は未定です。