SEAM / Headsparks CD

USインディー/エモを語るうえで外すことのできない、USノースカロライナ州チャペルヒルで結成された孤高のバンド「SEAM」が1992年にHOMESTEADからリリースした1stアルバム“Headsparks”が、2026年にNUMERO GROUPからCD再発。BITCH MAGNETのヴォーカル/ベースとして80年代後半のUSポストハードコアを切り拓いたSooyoung Parkがギター/ヴォーカルを務め、SUPERCHUNKのMac McCaughanがドラム、Lexi Mitchellがベースを担当した初期トリオ編成で制作。Sooyoungの囁くような繊細なヴォーカル、静かに爪弾かれるギター、感情が決壊した瞬間に溢れ出すファズノイズ、地面を這うようなベース、ラフに転がるドラムが生み出す、崩れそうで崩れない危ういアンサンブル。BITCH MAGNETで鳴らしていた硬質なポストハードコアの残響を引き継ぎながら、SUPERCHUNK周辺の瑞々しいインディーロック、GALAXIE 500やCODEINEに通じるスローコアの気怠さと内省性を混ぜ合わせ、エモという言葉が現在の意味で定着する以前の、説明しきれない感情をそのまま音へ閉じ込めています。静と動を行き来する緩急、泣きのメロディを隠すように被せられたノイズ、声を前へ押し出さず楽器の一部として滲ませる歌唱は、後に広がる90年代エモ、スローコア、ローファイ、ポストハードコアの原型。粗く乱れたドリームポップのような浮遊感もあり、整いすぎていない録音と不器用な演奏の隙間から滲み出す切実さが、本作特有の薄汚れて泣ける空気を作り出しています。VELOCITY GIRLのSarah Shannonもゲスト参加し、後にCODEINEのスローコアクラシックとして知られる“New Year’s”のオリジナルヴァージョンも収録。その後シカゴへ拠点を移し、TOUCH AND GOから発表する“The Problem With Me”以降でより研ぎ澄まされていくSEAMですが、本作にはチャペルヒルの蒸し暑い空気の中でSooyoung、Mac、Lexiの3人が鳴らした、整理される前の初期衝動と朧げな美しさが濃縮。CODEINE、BEDHEAD、GALAXIE 500、SUPERCHUNK、SILKWORM、BITCH MAGNET、初期KARATE辺りが好きな人には避けて通れない、後世へ語り継がれるべき90年代USインディー/エモ前夜の名盤です。
  • Label:NUMERO
  • Price:2,280
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