YARD END ROBINSON’S / ドライブウェイ CD

名古屋で結成され、現在は関東を拠点に活動する3ピース「YARD END ROBINSON’S」が、2016年の1stアルバム”PARMANENT”から約10年という時間を経て完成させた2ndアルバム”ドライブウェイ”、FIXING A HOLEよりリリース。THE PROMISE RINGやSUPERCHUNK、JAWBREAKER、MEGA CITY FOUR、そしてbloodthirsty butchersにも通じる、不器用だからこそ胸に残るメロディとギター。いわゆる90年代エモ/メロディックパンクの文脈にありながら、過剰にドラマチックな展開や感情の爆発へ向かうのではなく、日々の暮らしの中にある小さな揺らぎや迷いを拾い上げるように、じっくりと10曲を積み重ねていきます。本作で特に印象的なのは、約10年ぶりという時間の長さを大袈裟な「復活」の物語にしていないところ。昔の続きを無理に演じるわけでも、新しいバンドのように背伸びするわけでもなく、今の3人が鳴らせる音を今の速度で鳴らしている。焦らず、しっかりと足元を見つめ、一歩ずつ前へ進んでいくような実直なエモソングの応酬で、青臭さを残したメロディの中にも、年齢や経験を重ねたからこそ生まれる苦味や諦観が自然と滲みます。ひねりの利いたリズムとざらついたギター、その隙間を縫うように置かれる日本語詞も絶妙。何か特別な出来事を声高に歌うのではなく、いつもの街や生活、過ぎていった時間の中から感情を掬い上げていくような言葉と演奏には、YARD END ROBINSON’Sならではの体温があります。90年代USエモ、インディーロック、UKメロディック、そして日本の地下で独自に育ってきたエモ/メロディックパンク。そのどれかひとつを再現するのではなく、自分たちが長年聴き、鳴らしてきた音楽を自然体で現在へ繋いだ一枚。10年という空白を埋める作品というより、その10年間も丸ごと抱えて再び走り始めたような”ドライブウェイ”。派手さよりも、聴くほどにじわじわと染み込んでくる強さを持った全10曲です。
  • Label:FIXING A HOLE
  • Price:2,200 円
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