USニューヨーク出身、女性ヴォーカルを擁する5人組エモバンド 「BETA MINUS MECHANIC」 が、REVELATION傘下の CRISIS より1997年に残した唯一のアルバム、REVELATIONがいまだにストックを抱えていたので入荷しました。90年代後半、NYHCの流れからエモやポストハードコアへとシーンが大きく広がっていく過渡期に生まれた、もっと評価されるべき隠れた名盤です。当時はREVELATION周辺のショーケースにも出演しており、レーベルからも期待を寄せられた存在でした。一聴するとまず耳を奪われるのは、透明感に満ちた女性ヴォーカル。RAINER MARIA、JEJUNE、SAMUELを思わせる瑞々しく繊細なメロディーは、どこか儚さを帯びながらも芯の強さを感じさせ、90年代エモ特有の青春性を鮮やかに映し出しています。バックを支える演奏は、女性ヴォーカルエモにありがちなインディーポップ寄りのアプローチではなく、面白いのは、メンバーのバックグラウンドがハードコア寄りだったため、由来の緊張感を色濃く残しています。SENSE FIELDの流麗なダイナミクス、TEXAS IS THE REASONの張り詰めたギターアンサンブル、さらにはELLIOTTにも通じる叙情的なコードワークを軸に、ポストハードコア特有の硬質なリズムと鋭いギターが楽曲全体を支配。決して派手ではないものの、静と動を巧みに行き来する演奏にはNYHCシーンを経たバンドならではの説得力があります。唯一のアルバムで活動を終えたこともあり、現在では語られる機会こそ多くありません。しかし、REVELATION周辺作品やSENSE FIELD、TEXAS IS THE REASON、JEJUNE、RAINER MARIAあたりを愛聴する人なら、この作品が埋もれたままなのはあまりにも惜しいと感じるはず。90年代エモの隠れた名盤として、今なお新鮮な輝きを放ち続けています。