UKイプスウィッチ出身のエモリバイバル/オルタナティヴロックバンド 「BASEMENT」 による4thアルバムが、2026年にRUN FOR COVERよりリリース。2018年作”Beside Myself”以来、約8年ぶりとなる本作”Wired”は、初期作品を支えたRUN FOR COVERへの帰還作でもあり、バンドのキャリアを改めて接続し直すような意味合いを持った作品です。2009年の登場以降、BASEMENTはTITLE FIGHTと並び、2010年代エモリバイバル以降の潮流を象徴する存在として語られてきました。しかし彼らの特異性は、単なる“90年代エモ再解釈”に留まらず、グランジ、UKオルタナティヴ、ポストハードコア、さらにはシューゲイズ以降の質感までを自然に統合していた点にあります。初期のハードコア的衝動から出発しながらも、作品を重ねるごとにメロディと空間性を拡張していった流れは、JAWBREAKER〜HUM〜FAILURE〜THE SMASHING PUMPKINS以降のオルタナティヴロック文脈とも強く接続されていました。本作では、その流れをさらに推し進める形で、従来の激情性や轟音感を維持しつつ、より洗練されたオルタナティヴロックとしての完成度を獲得。鋭く歪んだギター、陰影を帯びたコードワーク、分厚いリズムセクション、そして高揚感のあるメロディが高い密度で共存しており、“エモバンド”という枠組みを超えたスケール感を提示しています。また、本作で印象的なのは、“復活作”にありがちなノスタルジーへの依存がほとんど感じられないことです。むしろBASEMENTは、自身の過去を素材として参照しながらも、それを再演するのではなく、“現在の5人”として更新し続けることに重心を置いています。デジタル化以降のロックシーンの中で、フィジカルな熱量やバンドアンサンブルの強度を失わずに進化してきた彼らの姿勢は、本作において極めて明確に表れています。TITLE FIGHT、BALANCE AND COMPOSURE、SUPERHEAVEN、CITIZEN、NARROW HEAD、FIDDLEHEAD周辺が好きなリスナーはもちろん、HUM、FAILURE、QUICKSAND、THE SMASHING PUMPKINS、JAWBOX、FAR、SEAWEEDといった90年代オルタナ〜ポストハードコアが好きな層にも強く推薦したい作品です。