HEY MERCEDES / Loses Control (Japan Exclusive) LP(OLIVE)+MP3
USウィスコンシン州ミルウォーキーのエモバンド「HEY MERCEDES」のエモクラシックとして語り継がれるの2003年発表の2ndアルバム”Loses Control”の2026年/POLYVINYLからの再発盤。オリジナルはVAGRANTからでそこから初めての再発となります。2000年前後、いわゆる“第二波エモ”のムーブメントが一段落し、先駆的バンド群の多くが停滞あるいは解散へ向かう中、BRAIDの解散とほぼ同時に始動したのがこのHEY MERCEDESでした。実質的には“Chris Broach不在のBRAID”とも言える布陣に、既作のギターCOMPOUND REDのMark DawurskからBRAIDの解散ライブでも前座を務めたエモバンドSHEILBOUNDのMike Shumakerを迎えての新体制での作品となります(再結成後のギターも彼が参加)。前作”Everynight Fire Works”発表後、200本を超えるツアーを敢行し、ライブバンドとしての評価を確立。その勢いのまま制作されたのが2003年作”Loses Control”です。レコーディングでは、それまでの盟友J. Robbinsに代わり、90年代USオルタナ/インディーロックの名作群を手掛けたSean Slade&Paul Q. Kolderieを起用、CAMP STREET STUDIOにて録音され、バンドが意図的に新たなフェーズへ舵を切ったことを示す作品となっています。BRAID由来の複雑なリズム構築や細密な展開美は既作以上にに整理され、その代わりに、厚みを増したギターサウンド、力強いリズムセクション、そしてより開放的に響くメロディラインが楽曲の核を担っています。ダブルトラックを効果的に用いたBob Nannaのヴォーカルや、レンジを広げたギターアレンジからも、従来作以上に広がりのある音像とダイナミックなバンドサウンドを志向していたことが明確に伝わってきます。とはいえ、同レーベルのSAVES THE DAYやTHE GET UP KIDSのような、より即効性の高いキャッチーなエモ/ポップパンク勢と比較すると、HEY MERCEDESには依然として内省性や屈折したセンスが色濃く残されていました。そのため、2003年当時の“より商業化されたエモ”へと傾くシーンの潮流とはやや噛み合わず、本作は完成度に反して大きな商業的成功には至らず、結果として過小評価された作品となります。しかしその後、”エモリバイバル”が幾度となく到来する中で、本作の洗練されたソングライティングと成熟したアレンジは再評価の対象となり、HEY MERCEDES自体の再結成/再評価へと繋がっていきました。BRAIDから派生した数多くの関連プロジェクトの中でも、本作は最も潤沢な制作環境と明確なスケールアップ志向をもって作られた作品であり、単なるサイドプロジェクトの域を超えた“成熟したエモアルバム”として位置づけられるべき一枚です。本盤は2026年のジャパンツアーに合わせた限定200枚のエクスクルーシブ仕様として、” Beige In Olive”カラー盤での入荷となっています。
- Label:POLYVINYL
- Price:4,280
円