USサンディエゴが生んだ伝説的ポストハードコアバンド、DRIVE LIKE JEHUが1991年にHEADHUNTERからリリースしたセルフタイトル1stアルバムの2023年リプレス盤。後にROCKET FROM THE CRYPTでも活動するJohn Reisと、2023年に惜しくも亡くなったRick Frobergが、前身バンドPITCHFORKで培ったハードコア/ポストパンクの感覚をさらに過激かつ複雑な方向へ押し進め、90年代以降のポストハードコア、エモ、マスロック、ノイズロック、そしてオルタナティブロックへ計り知れない影響を与えた歴史的重要作です。Rick Frobergの喉を引き裂くような唯一無二のスクリームとギター、John Reisによる不協和音とフィードバックを織り込みながら縦横無尽に切り込むギターワーク。その2本が互いに衝突し、絡み合い、離れては再び噛み合う異様なアンサンブルを、Mike KennedyのベースとMark Trombinoのドラムによる強靭なリズム隊が支えています。変則的なリズム、突然の展開、緊張と解放、反復によって徐々に圧力を高めていく構成を取り込みながら、技巧を見せるための複雑さには決して向かわず、すべてがハードコア由来の切迫感と猛烈な推進力へ直結しているのがDRIVE LIKE JEHUの凄さ。PITCHFORKから受け継いだ初期衝動を残しながら、DISCHORD周辺のポストハードコアが切り拓いた方法論をさらに解体/再構築。複雑なギターの噛み合わせ、変拍子的なリズム、長尺化する構成、ノイズと静寂を含めたダイナミクスを一つの塊として叩きつけるそのサウンドは、当時のハードコアの枠組みから大きく逸脱していました。後の「エモ」という言葉が現在とは異なる意味で使われていた時代の、ハードコアの激情と実験性が最も鋭利な形で結びついた作品のひとつでもあります。わずか2枚のアルバムしか残さなかったバンドながら、その後のポストハードコアの設計図そのものを更新したと言っても過言ではない存在。1994年の2nd『Yank Crime』でさらに巨大かつ緻密に発展するDRIVE LIKE JEHUの方法論は、すでにこの1stでほぼ完成しています。ストイックでトリッキー、それでいて異様なほどグルーヴィー。複雑な構造を猛烈な速度とテンションで一気に駆け抜け、知性と暴力性を同時に成立させた、90年代USポストハードコアを語るうえで絶対に外すことのできない殿堂作品です。