USミネアポリスのマスロック/ポストハードコアバンドSELF-EVIDENTが2009年に発表した5thアルバム。2017年にDOUBLEPLUSGOODからヴァイナル化。FARAQUETやKARATEにも通じる緻密なアンサンブルを軸に、SHINER、TRAINDODGEなどカンザス周辺のポストハードコアともシンクロする、淡々としていながら内側では激しく蠢くエモーション。変幻自在に組み替えられるギターリフ、拍の置き所を意図的にずらす変則的なドラム、ブーミーな低音で楽曲の重心を支えるベースが、それぞれ主張しながらも決して音を詰め込み過ぎない。この「隙間」の作り方こそSELF-EVIDENT最大の魅力です。マスロック的な技巧を前面に押し出すのではなく、複雑なリズムやコードワークをあくまで楽曲を成立させるための手段として扱い、そこへJ. ROBBINS周辺にも通じる硬質さとメロディーセンスを自然に落とし込む。奇数拍子や予測不能な展開を繰り返しながらも、聴き終えたあとに残るのは技巧そのものではなく、抑制された歌とギターが生み出す独特の余韻です。FARAQUET以降の緻密なギターロックと90年代USポストハードコアの強靭さ、その両方を独自のバランスで更新し続けるSELF-EVIDENT。その完成度の高さに対して過小評価され続けていることすら不思議に思える至高のバンドの一つ。