QUICKSAND / st 7"(YELLOW)

1990年、名門REVELATIONからリリースされた「QUICKSAND」の記念すべきデビューEP。わずか4曲ながら、その後のハードコア、ポストハードコア、エモ、オルタナティヴ、メタルにまで及ぶ巨大な影響を予感させた歴史的作品です。GORILLA BISCUITSやYOUTH OF TODAYが築き上げたNYHCの系譜を受け継ぎながら、その枠組みを根底から覆した"突然変異"とも言える一枚。当時のニューヨークハードコアが高速で直線的なサウンドを追求する中、彼らは重厚なギターリフ、不規則なリズム、空間を活かしたアンサンブル、そして内省的なメロディを取り入れ、従来のハードコアとはまったく異なる新しい表現へ踏み出しました。オープニング「Fazer」から、鋭く刻まれるリフと緊張感あふれるリズムが圧倒的な存在感を放ち、続く「Omission」ではQUICKSANDというバンドの真骨頂が早くも完成されています。ハードコアの衝動を失うことなく、静と動を巧みに行き来する展開、ヘヴィでありながらどこか浮遊感を感じさせるギター、そしてWalter Schreifelsの感情を抑制しながらも強い説得力を持つヴォーカル。そのスタイルは、後に”Slip”と”Manic Compression”で完成を見るサウンドの原型そのものです。特に「Omission」は、30年以上経った現在も再結成後のライブで演奏され続ける代表曲であり、この時点で彼らのソングライティングがすでに突出していたことを証明しています。本作が革新的だったのは、単にヘヴィだったからではありません。BAD BRAINSやGANG OF FOUR、さらにはオルタナティヴロックの要素まで吸収しながら、ハードコアの攻撃性と知的な構築美を共存させた点にあります。ブレイクダウンを単なる"重さ"ではなく楽曲構成の一部として機能させ、ダイナミクスを重視したアレンジは、その後のポストハードコアやモダンヘヴィネスの基本フォーマットとなっていきました。QUICKSANDというバンドのすべては、この4曲から始まりました。ニューヨークハードコアの未来を切り開き、ハードコアというジャンルを新たな次元へ押し上げた歴史的第一歩。わずか4曲、約10分に凝縮されたその衝撃は、30年以上経った今もなお色褪せることなく、ポストハードコアというジャンルの原点として輝き続けています。
  • Label:REVELATION
  • Price:2,280
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