90s USインディシーンを象徴するNEUTRAL MILK HOTELの音源を網羅したBOXセットがMERGEよりリリース。2枚のスタジオアルバムと2枚の10"、3枚の7"、1枚のライヴ盤とポスター2枚をコンパイルした圧巻の内容です。2011年にもNMH首領Jeff Mangumが主宰するNMH Recordsから自主制作でBOXセットがリリースされていましたが、今回は2014年にブルックリンのProspect Parkでレコーディングされた"Little Birds"の未発表ライブ音源も追加収録されアップデートされた内容となっており、NMHフリークは勿論これから聴いてみたいという方にもうってつけな内容となっております。重厚感溢れる豪華な装丁で所有感もバッチリ。極少入荷のため即完の予感なので探していた方はお早めに。

【On Avery Island（1995）2LP】 Apples in StereoのRobert Schneiderプロデュースによるデビューアルバム。名盤2ndの影に隠れがちですがこちらも超名作。4トラックデッキを用いたラフな録音の質感とは裏腹に実験性を追求したサウンドメイキングで唯一無二の世界観を体現。NMHでしか成し得ないストレンジでサイケデリックな空気が充満しています。ゲートフォールド2枚組仕様。

【In the Aeroplane Over the Sea（1998）LP】 NMHの名前を一躍広めた彼らのアイコンともいえる名盤2nd. この作品からNMHの世界にのめり込んだ方も多いのではないでしょうか。トラッドフォークを基調にバンジョーやアコーディオン、果てはミュージックソー（ノコギリ）を取り入れたコンセプチュアルで色彩に満ちた40分間の音世界旅行を堪能する事が出来ます。牧歌的で祝祭感溢れるサウンドスケープで何度も針を落としたくなる作品です。ゲートフォールド仕様。

【Ferris Wheel On Fire 10"】 1992年〜95年の間にレコーディングされた未発表曲の中からアコースティック主体の楽曲を纏めた編集盤。フィジカルでは単体でのリリースはされておらず、BOXセットでしか手に入れることが出来ないお宝音源です。

【Everything Is 10"】 93年発表の4曲入りEPにボーナストラック3曲が追加収録。不穏さと奇怪さを孕んだサウンドコラージュが随所に施されており最初期のNMHの作風を垣間見る事ができます。追加収録もあるため寄せ集め感は否めないですが、Jeffが初めて公式に発表した曲とされる "Ruby Bulbs "や奇怪なサウンドコラージュ作品"Aunt Eggma Blowtorch”など彼らの音楽的な変遷と世界観を辿る上でも欠かせない作品群となっています。

【Live at Jittery Joe's（2001）】 NMH首領Jeff Mangumが1997年にアセンズのコーヒーハウスで行ったソロライブを収めたライブアルバム。2ndアルバム「In the Aeroplane Over the Sea」発表直前に録音されたもので、同アルバムからの楽曲や未発表曲、カヴァー曲を中心に収録。元々はライブ作品を作る目的で録音されたものではなかったので、観客の話し声や足音や軋む床の音、グラス同士がぶつかる音、小さな子供の声、観客からのリクエストに快く応じるJeffの声が聞こえたりと、まるでその場に居合わせているかのような錯覚に陥る程の生々しい臨場感があり、会場全体を包む温かい空気までパッケージングされているような素晴らしい作品です。アートワークも一新された限定ピクチャーディスク仕様で目でも楽しめるものとなっております。

【Holland（1998）7"】 名盤2ndからのシングルカット。 B面"Engine"はアルバム未収録曲ながらライブで披露される頻度も高く、ファンの間で人気の高い楽曲。本作では98年5月にピカデリーサーカスの下にあるロンドンの地下鉄の駅でのライブ録音を収録。リイシューに伴いアートワークも一新されています。

【You've Passed 7"】 1994年録音。 1stアルバム収録曲の別テイクを収録。

【Little Birds 7"】 スタジオデモ音源に加え、再結成後の2014年に行われたツアー中に録音された貴重な未発表ライブ音源を収録。

(kani)