京都発、現在は都内を活動拠点としているアヴァンギャルドマス/オルタナティブロックバンドによる2023年リリースの2nd Album。かつての名バンド54-71を彷彿とさせるHIP HOP/R＆Bを彷彿とさせる強靭なビートとそれを柔軟かつスリリングに崩しながら着地していく業は既作と同一路線且つ強度を増していますが、最近の彼らのツインドラム編成を活かした普遍的なリズムを2つのドラムで分業することにより微細な揺らぎとズレを表現するという離れ業を音源でもしっかり表現されていますので本作は是非ともしっかりとしたヘッドフォンやオーディオにて堪能していただきたい作品です。また、アヴァンギャルドな部分に魅力がフォーカスされがちですが、憂いを帯びた京都のUP AND COMINGを彷彿とさせるインナーEMOと解釈できる内省的で美しい弦楽器の調べと歌声も特筆でして、あらゆるジャンルを包括して飛び越えていける可能性に満ちた怪作です。