BRAINIAC / The Predator Nominate E.P. LP(SILVER)

BRAINIAC、2023年にまさかの最終作品をTOUCH AND GOからリリース。フロントマンであるTim Taylorが他界して四半世紀が経っています。残念ながらBRAINIACに対する日本での認知度はイマイチと思いますが、本国アメリカでは2019年にドキュメンタリー映画化されるなど、注目と再評価が高まっています。本作品は、Timが事故死する直前の1997年にデモ録音されていた9曲入りの1本のカセットテープを1作品とみなし、未発表EPとしてリリースに至ったものです(2021年に未発表曲集としてリリースされている「Attic Tapes」には未収録)。聴いてみて驚くのはデモとは思えない楽曲の充実とクリアな音質で、しっかりとBRAINIACの音源として完成していることです。 1997年作のEP「Electro-Shock For President」の延長上である、電子音のうねり、硬質の楽器隊、奇怪かつキャッチーなムーグを通したヴォーカル、これぞBRAINIACな楽曲ぞろいです。音がせわしなく鳴るようなうるささは感じられず、メロディをしっかり聴かせるバランスでまとまっているのも特徴で、この時期にバンドとしての成熟期を迎えていた(Interscopeとサインしていた)こともうかがえます。同封されているライナーノーツはBRAINIACのメンバーであったJohn Schmersal(BRAINIAC解散後にENONを結成)によって綴られており、「最後の作品であり、ベストのものを残した」とさえ語られています。マスタリングがBob Westonというのもポイントです。1996年には「Hissing Prigs in Static Couture」の一部と、Mammoth RecordsからのJabberjawコンピへの参加曲ではSteve Albiniが録音しています。このデモ曲たちもスタジオ録音していたらもしかして…なんてことを思うと、25年後の仕上げをBobが務めたことにストーリー性を感じてしまいませんか?技術のみならず、作品化に至ってのBobの貢献は並々ならないものがあったのでしょう、前述のライナーノーツのサンクス欄にもBobの名前が上位に記されています。 近年のTOUCH AND GOが再発以外のリリースをするのは稀なことで、レーベルにとってBRAINIACが特別な存在ということが伝わってきます。 限定のシルバー盤。(tema)
  • Label:TOUCH & GO
  • Price:2,980
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