USシカゴのオルタナフォークデュオ、”WHITNEY”の2022年リリースの3rdアルバム。自らをカントリーソウルバンドと称して、60〜70年代のミュージシャンへの偏った音楽趣向、アナログ機材から鳴っているような録音や心地良いハーモニー、メロウポップなグッドソングを量産してきた"WHITNEY"ですが本作は1st,2ndによって培ったメロウ且つどこか懐かくも美しい極上のメロディはこれまで通りですが、音像のアウトプットとしてドラマー且つシンガーであるJULIEN EHRLICHの大胆なエフェクトの導入、90s〜00sにその才能を奮ったJ DILLAよろしくなディラビートの導入等、本作は主に彼等のソウル/R&Bへの温故知新が詰まった意欲作。既存の作品のファンを少しだけ突き放しつつも彼等の愛する音楽の文脈へ誘うような野心を感じますが、どこまでいってもJULIEN EHRLICHの美し過ぎる歌声とMAXによるソングライティングとアレンジの妙に心を掴まれてしまいます。
