まさにUSオルタナティブを代表するバンドであるSONIC YOUTHの記念すべき82年5曲入りデビューミニアルバム。グレン・ブランカのレーベルであるNeutralがオリジナルで、その後SSTレコード他から何度も再発されているが、こちらは2006年の最新リマスター盤。さらに結成直後の81年頃の未発表ライブ音源やスタジオデモなどを追加した2枚組のデラックスエディションでGoofin?から。。ボーナスディスクは本編よりボリューミイな8曲入りで、当時のNYアンダーグラウンドアートシーンから突然変異的に飛び出したバンドの初期衝動的なショウの雰囲気を存分に堪能できる。変則チューニングが生み出すノイズインプロビゼーションが代名詞の彼らだが、唯一ノーマルチューニングで制作された音源でもある。ファンク・ダブの影響下で紡がれた呪術的なリズム、スカスカの不協和音的なギターノイズ、ポエリーリーディングが織りなす独自の世界観は、この時点ではおそらくまだ完成されてはいないものの、鈍く光るダイヤの原石のように聴く者の心を惹き付ける引力を放っている。余談だが、この時のドラムスは後にジム・ジャームッシュのストレンジャー・ザン・パラダイスに出演するなど、俳優として活躍するリチャード・エドソン。