エレクトロニカ殿堂入り名盤。Keith Kenniffの一人ユニットHeliosの１stアルバムです。オリジナル発売はTypeから2006年、インディロックとエレクトロニカが接近した時期ですね。当時はこれがデビュー作品として世に紹介され（後に本作よりも前に作られていた作品もリリースされる）、ゆったりとしたリズム、儚く美しいピアノの旋律を主体とし、生音もふんだんに取り込まれた電子音楽です。今となっては珍しくないスタイルですが、当時の登場には、この手があったのか、と驚き、少ない音数の一音一音のセンスに感嘆したものです。切ないメロディの素晴らしさは当時の口コミ、ネットに広がり、この印象的なジャケットをweb上で見かけるようになりました。エモ・ポストロックのリスナーの琴線に触れたのは必然な邂逅であり、才人Keith Kenniffのその後の成功はこの時点で約束されたと言ってよいでしょう。このアルバムのアナログ盤は中古市場で高騰していたため、このジャケットを部屋に飾りたい(CDと微妙に違う)と思っていた人は今回の再発に喜んでいることと思いますし、Helios未体験の方は是非このレコードを手に取っていただきたい、素晴らしい音楽に出逢うまたとない機会です。